こんにちは、整体院 晴々の木脇です。
「ヘルニアがあると言われた=腰が痛い原因は全部ヘルニアだ」
こう考えてしまう方はとても多いです。
しかし、医学的なデータを見ていくと、
「ヘルニア」と「腰痛」は必ずしもイコールではない
ということが分かっています。
データで見る「ヘルニア」と「腰痛」のズレ
まずは、いくつかの数字を見てみましょう。
- 腰痛は、生涯で約80%の人が一度は経験すると言われています。
- 一方で、腰痛も痺れもないまったく無症状の人にMRI検査を行うと、
・椎間板の「ふくらみ(膨隆)」が約50%
・「突出(いわゆるヘルニア)」が約25〜30%
に見つかった、という報告があります。 - さらに、年齢が上がるほど椎間板の変性や“異常所見”は増え、
70〜80代では9割以上の方に何らかの変化が見られるというデータもあります。
つまり、
「画像でヘルニアや椎間板の異常があっても、痛みや痺れがない人はたくさんいる」
ということです。
なぜ「構造の異常=痛み」ではないのか?
MRIでヘルニアが写っていても、必ずしも痛みの原因とは限りません。主な理由は次のようなものです。
- 椎間板のふくらみや突出があっても、神経に実際には触れていない/圧迫していないことが多い
- 椎間板の変化は、年齢とともによく見られる「経年変化」でもある
- 痛みは、椎間板だけでなく筋肉・関節・靭帯・姿勢・神経の感受性など、多くの要素が関わっている
このため、
「画像上の異常の大きさ」と「痛みの強さ」は必ずしも比例しない
というのが、現在の一般的な見解です。
ヘルニアが腰痛の原因になりやすいのはどんなとき?
もちろん、ヘルニアがまったく関係ないわけではありません。
特に急性期(出はじめの時期)には、腰痛や脚の痛み・痺れが強く出ることがあります。
- 椎間板が急に破れて飛び出したとき
- 飛び出した椎間板の周りで炎症が強く起きているとき
- 神経を強く圧迫・刺激しているとき
このような場合は、腰痛がかなり強く、動くのも大変な状態になることがあります。
ただし、炎症が落ち着いてくると、 「ヘルニアの大きさ」と「残っている腰痛の強さ」はあまり関係がなくなる
ということが臨床でもよく見られます。
慢性腰痛の多くは、ヘルニア以外の要因
3ヶ月以上続くような慢性腰痛では、ヘルニアそのものよりも、次のような要因が関係していることが多いです。
① 腰まわりの筋肉の硬さ・バランスの乱れ
長時間のデスクワーク、運動不足、ストレスなどで、
腰〜お尻〜太ももの筋肉が硬くなり、痛みの原因になります。
② 仙腸関節や腰椎の「動きの悪さ」
レントゲンやMRIには写りませんが、
「関節が硬くて動かない」「逆に不安定でグラグラしている」
といった機能的な問題が痛みのもとになることがあります。
③ 姿勢や骨盤バランスの崩れ
片側に体重をかけるクセ、足を組むクセ、反り腰、猫背などにより、
特定の筋肉や関節に負担が集中し、慢性腰痛につながります。
④ 体幹(インナーマッスル)の弱さ
お腹の奥の筋肉が弱いと、背骨を十分に支えられず、
結果として腰の筋肉に過剰な負担がかかります。
こうした要因は、どれだけMRIを撮っても写りません。
「画像では異常なしと言われたのに痛い」という方は、まさにここが問題になっていることが多いです。
数字から分かる「画像に映るもの」と「感じている痛み」は別もの
ここまでを数字でざっくり整理すると、
- 生涯で約80%の人が腰痛を経験する
- 無症状の人のうち、約50%に椎間板の膨隆、約25〜30%にヘルニア様の突出が見つかる
- 高齢になると、9割以上の人に何らかの椎間板の変化が見られる
つまり、
「ヘルニアや椎間板の変化」はとてもよくある状態であり、
それだけでは「腰痛の決定的な原因」とは言えない、ということです。
整体院として大切にしていること|画像より“動き”と“体の声”
整体院 晴々では、ヘルニアの有無だけにこだわらず、
次のようなポイントを丁寧にチェックします。
- どの動きで腰が痛いか(前屈・後屈・ねじりなど)
- どの姿勢で楽になるか/つらくなるか
- どの筋肉・関節に負担が集まっているか
- 足・骨盤・背骨のバランスがどうなっているか
こうした“動き”と“体の使い方”を評価していくことで、
画像では分からない腰痛の本当の原因が見えてきます。
まとめ|ヘルニアがあっても、腰痛は必ずしも「ヘルニアのせい」ではない
- ヘルニアや椎間板の異常は無症状の人にも多く見られる
- 数字で見ても、「構造の異常=痛み」とは言えないことが分かる
- 慢性腰痛の多くは、筋肉・関節・姿勢・体幹など機能的な問題が関わっている
- 大事なのは、画像だけでなく動き・姿勢・全体のバランスを見ること
「ヘルニアと言われて不安になっている」
「画像では問題ないと言われたのに、腰がずっと痛い」
そんな方は、一度ご相談ください。
あなたの今の状態を丁寧に評価し、
数字やデータも踏まえながら、腰痛改善への道筋を一緒に考えていきます。







