こんにちは!港北区大倉山の整体院 晴々、木脇です。
今回は顎関節症についてお話します。
前編の今日は理論編です。「どうして顎が痛くなるのか?」をわかりやすく解説しました。
「歯医者さんにいったけど、(顎関節症が)良くならない」
「整体に行ったみたけど、顎が痛い。」
そんな方は今日の理論編を読んでいただくと、どうして良くならなかったのかわかってきます。
ぜひ最後まで読んでくださいね!
🔹 はじめに:姿勢が顎の痛みに関係するって本当?
普段、何気なくとっている「姿勢」。
実はその姿勢のクセが、顎の位置・顎関節の動きに影響し、顎関節症の原因や悪化要因になっている可能性があります。
近年の研究でも、
「姿勢と顎関節症(TMD)は関連がある」
という報告が増えており、整体の現場でも姿勢の崩れと顎の痛みの関係はよく見られます。
この記事では、姿勢と顎関節症の関連性を
科学的エビデンス × 臨床経験
の両面からわかりやすく整理します。
◆ 1. 科学的エビデンス:姿勢と顎関節は“無関係ではない”
複数の研究で、以下の傾向が報告されています。
■ 姿勢と顎関節症には相関がある
あるメタ分析では、
頭・首・体幹のアライメント(姿勢)とTMD症状には関連がある
と報告されています。
→ つまり、
「姿勢が悪い=顎のトラブルが出やすい」 という関係です。
参照;①
■ 顎関節症の人は「頭部前方位(FHP)」が多い
2023年の研究では、顎関節痛を持つ人は
-
頭が前に出る姿勢(FHP)の割合が高い
-
その度合いが強いほど症状も重い
と示されています。
■ 頭・首の角度は「顎の構造」に影響する
頭部や頸部の角度の変化は、
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下顎の位置
-
上下顎の関係
-
歯列や噛み合わせ
にも影響する可能性が示されています。
■ 姿勢が変わると「口の開けやすさ」も変わる
特に興味深いのが、姿勢によって
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最大開口量
-
開口のスムーズさ
が変化するという点です。
いわゆる “だらっとした猫背姿勢” では、顎の開閉がスムーズでなくなることが確認されています。
▶ 結論:姿勢と顎関節は密接に関係している
最新の研究をまとめると、
「姿勢(頭・首・体幹)は顎関節の状態に大きく影響する」
という点で、多くの研究が一致してきています。
◆ 2. なぜ姿勢が顎に影響するのか?メカニズムの整理
■ ① 頭部前方位(FHP) → 下顎後退
頭が前に出ると重心がずれ、
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咀嚼筋
-
靭帯
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顎を支える筋群
に不自然な負荷がかかります。
その結果、
下顎が後ろ(上後方)に引き込まれる
ようになります。
これは顎関節や関節円板にストレスを与え、
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痛み
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クリック音
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開口時の違和感
などの原因になります。
■ ② 首・頸部の筋緊張が顎に波及する
顎は独立して動いているようで、実は
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咀嚼筋
-
側頭筋
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頚部筋
-
舌骨筋群
などと密接に連動しています。
姿勢が崩れて首が前に出たり猫背になると、
首の筋バランスが乱れ、その影響が顎へ波及します。
その結果、
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開口時の軌道がぶれる
-
閉口時に痛む
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顎がカクッと鳴る
といった症状が起こりやすくなります。
■ ③ 姿勢は顎の“可動性”にも影響する
研究では、姿勢によって
-
最大開口量
-
開口のスムーズさ
が変化することが報告されています。
特に猫背姿勢では胸郭や頸部の可動域が低下し、
その結果として 顎の動きにも制限が生じると考えられています。
【前半まとめ】
姿勢は“顎の土台”です。
頭・首・胸郭のアライメントが乱れると、顎関節にも負担がかかりやすくなり、
痛み・クリック音・開口障害を引き起こす可能性があります。
続く後半では、
✔ 姿勢と顎の悪循環の具体例
✔ セルフチェック
✔ 整体的アプローチ
を紹介します。
次の記事はこちら
姿勢と顎関節(実践編) —-チェックポイントとアプローチ







